こんにちはー
城です.
Monalisaの発表無事に終了しましたー.下の図を見せただけですぐに理解してくれるあたり,話が早くて助かりました(つたない英語でもどうにかなりますし).

ところで,なんとMonalisaとほぼ同一のコンセプトのソフトウェア(Rasterpiece, SonART)の作者のWoonyと出会うことができました.お互いソフトは知っていたもののどんな人かはまったく知らず,まさか本人に会えるとは思わなかったのでうれしい限りです,ちなみに,彼はStanford大学のCCRMA(コンピュータ音楽の殿堂みたいなとこですね)で博士号を最近取得したらしいのですが,なんとその審査員の中には(博士論文になると数名の教授たちによる審査があるのです),マックス・マシューズ(Maxの語源の御大です),ジョン・チョウニング(FM音源の発明者), ジャン=クロード・リセ(無限音階を使った曲がある作曲家)なんかがいたそうです.まさに殿堂なんだなあ,とびっくりしました.
NIMEも本日で最終日.いくつか興味深かった話題を振り返ってみたいと思います.
Jennifer Butler
Creating Pedagogical Etudes for Interactive Instruments
この発表では,New Musical Interfaceって,作っておしまい,のものが多すぎなんじゃないの,と言った主張のもと,練習曲による日々のbasic skillの鍛錬の必要性を訴えていました.練習曲に対しては,basicと言っている部分をよっぽどうまく定義しないと,音表現の可能性を狭めてしまうことにつながるのでは,とも思うのですが,作っておしまいのものが多い,練習もっとした方がいい,というあたりの主張にはかなり共感するものがありました.
Xavier Serra (Keynote lecture)
Technological development in the current social context: Who is really in control?

こちら,発表の都合もあって,全部は聞けなかったのですが,Creation(Production Tools)と,Content(Databases)と,Community(Social Tools)が,新たな音楽の要素となる,との主張,前回のポッドキャストの内容ともかぶることもあり,議論の出発点としてはいいモデルかも,という感じです(ただMusic3.0はちょっと安直なネーミングでは?とは思いますが).
Jean-Marc Pelletier
Sonified Motion Flow Fields as a Means of Musical Expression

個人的には,今回のベストプレゼンテーション(会議によってはそういう賞を実際に出しているところもあります).動画を膨大なデータの集合(320*240, 8-bit, 30fpsの画像だと44.1KHz, 16-bitの音の十数倍)と見立て(この辺り少しMonalisaも似ています),特徴点を抽出し,フレームごとの変化に基づいて(パラメータはx,yと移動量と角度),グラニュラ・アディティブシンセシスの制御に使う,というものです.単に技術的な話だけではなく,イメージとそれに基づく音との関係をcontrol gestaltsという概念で述べていたり,サンプルのクオリティがすごくよかったり(でも,これじゃあすぐに飽きちゃうので駄目ですけどね,とすごく控えめでしたが),と,印象に残る発表でした(さすがIAMAS!).
Workshop on Techniques for Gesture Measurement in Musical Performance
Organizers: R. Benjamin Knapp, Marcelo Wanderley, Gualtiero Volpe
こちらのワークショップは,ジェスチャー認識の技術として,筋電,モーションキャプチャ,コンピュータビジョン,の3つを取り上げ,それぞれの長所,短所を,デモを交えながら説明する,というものでした.筋電だと見えない動きを取得できる,とか,モーションキャプチャは精度がめちゃくちゃ高いけど値段は高いし見かけはよくない,とか,コンピュータビジョンは,精度はモーションキャプチャに比べたら荒いけどコストは低い,と言った比較や,筋電にも,EMG(筋肉の動きに伴う電位),EEG(筋肉を動かすための電位),といった種類があって,EEGだと動く前に検出することができるけど,非常に微弱な信号なので,リアルタイムのパフォーマンスにはちょっと使いづらい,とか, なかなかためになる情報を得ることができました(こういったレクチャーがあるのは専門性が高い会議ならではの良さですね)
その他,コンサート,ライブ,インスタレーションに関しては,論文の発表に比べると審査基準がいまいち一貫していない感じもあり(厳しさは会議によってバラバラですが,国際会議は発表のための審査があるのです),やっぱりあくまでも学会なんだなあ,という印象を持ちました.とはいえ磨けば光る(というとなんだか偉そうですが)感じのものはいくつもあったので,今後にぜひ期待をしたいところです.
ではまたー